【活用例5選】Claude3でマーケティング最適化！ChatGPT超えの実力とは？

待望のClaude3が登場

Claude（クロードと読みます）とは、OpenAIの元メンバーによって設立されたアメリカの人工知能スタートアップ企業Anthropicが開発する生成AI（大規模言語モデル：LLM）です。Anthropicは2023年5月に、当時のChatGPTの25倍に当たる10万トークンの処理が可能な大規模言語モデルであるClaudeを発表し、長文処理でも先行している最先端のAI企業です。

そんなAnthoropicが2024年3月5日に、Claude3をリリースしました。

Today, we're announcing Claude 3, our next generation of AI models.

The three state-of-the-art models—Claude 3 Opus, Claude 3 Sonnet, and Claude 3 Haiku—set new industry benchmarks across reasoning, math, coding, multilingual understanding, and vision. pic.twitter.com/TqDuqNWDoM

— Anthropic (@AnthropicAI) March 4, 2024

Claude3は、様々なベンチマークスコアで、Open AIのGPT-4や、GoogleのGemini1.0 Ultraを上回るスコアを示しており、2024年3月時点で能力的には最高水準の生成AI（大規模言語モデル：LLM）です。

また、Maximum Truthが2024年3月に、Claude3を含む複数の大規模言語モデルに対してIQテストを実施しました。IQテストはノルウェーのメンサで実施され、内容は視覚障害者へテストを行うかのように、すべての質問が言語化されて実施されました。IQテストによると、Claude3は大規模言語モデルの中で始めて「IQ100を超えるスコア」を記録しました。Claude3の能力が、普通の人間の平均的な知能と同等であることを示しています。

Claude3は文章だけでなく、画像や写真などの処理にも対応したマルチモーダル型の大規模言語モデルです。Claude3でできることには以下のようなものがあります。

ChatGPTを利用したマーケティング効率化は以下も参考に

ChatGPTなど生成AIを利用したマーケティング活用のほか、プロンプトエンジニアリングなどの基本・応用については以下の記事も参考にしてみてください。

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Claude3の種類

Claude3には、3つのバージョンが存在します。特にClaude3 Opusは、学部レベルの専門知識を評価する、大規模マルチタスク言語理解（Massive Multi-task Language Understanding：MMLU）や、大学院レベルの専門推論 （GPQA）、基礎数学（GSM8K） など、生成AIの一般的な評価ベンチマークの大半で他の先行モデルよりも優れています。

マーケティング業務で利用する場合には、有料にはなりますがClaude3 Opusの利用を推奨します。

Calude3の始め方

1.アカウントを登録する

ClaudeのURLへアクセスします。E-mailかGoogleアカウントを利用し、Claudeのアカウント登録を行います。

2.認証用の電話番号を登録する

認証用の電話番号を登録します。

3.ログイン後の画面

ログインすると、以下のような画面が表示されます。無料版でもClaude3の中間モデルであるClaude3 Sonnetを利用することが可能です。

4.最高性能のClaude3 Opusを使うために有料ユーザーに登録する

最高性能のClaude3 Opusを利用するために、有料ユーザに登録します。右上のアイコンをクリックし、Subscrive to Proを選択します。すると、クレジットカードの登録画面が表示されるため、こちらで必要情報を入力し、Subscriveボタンを押せば完了です。月額20ドルは、ChatGPTの有料版である、ChatGPT Plusと同額です。

Claude3の主な特徴

Claude3には、以下のような優れた特徴があります。特に高い日本語性能による流暢な日本語の生成能力と、長文理解の能力はマーケティング現場でも有効活用が期待できます。

特に長文入力については特筆できます。Claude3は2024年3月時点で、20万トークンの情報を受け取り処理することができます。（※公開されていないだけで、能力的には100万トークンの処理に対応しています。）20万トークンとは、日本語で最大10万文字程度の入力を受け入れることができることを意味しています。一般的な書籍の場合、新書で約8～12万字程度と言われていますので、おおよそ新書1冊分の情報を受け入れることができることになります。

大規模言語モデルが長い文脈を持つ質問に対して効果的に対応するためには、与えられた情報をしっかりと思い出す能力が必要になります。「Needle In A Haystack：干し草の山の中の針（NIAH）」という評価方法では、大規模言語モデルが大量のデータの中から目的の情報を正確に取り出せるかを測定します。この評価方法では、30組のランダムな「針」（目的の情報）と質問のペアを用意し、それぞれの質問に対して、多様な文書の中から答えを見つけ出すことが求められます。つまり、まさに「干し草の山の中から針を探す」ような作業です。

最上位モデルであるClaude3 Opusは、この評価で99%以上の正解率を達成し、ほぼ完璧に情報を思い出すことができました。また驚くべきことに、Claude3 Opusは評価方法自体の限界も指摘しました。具体的には、「針」として用意された文が、元の文章に不自然に挿入されていると認識したとのことです。

このように、Claude3 Opusは与えられた情報を正確に思い出すだけでなく、その情報が文脈に合っているかどうかまで判断できる高い能力を持っているといえます。

Claude3 Opusを利用した、マーケティングでの活用例

Claude3 Opusは、ChatGPT（GPT-4）よりも流暢な日本語を生成することができます。また、長文理解の能力も素晴らしく、以下のようなシーンでの活用が期待できます。

①Claude3 Opusを利用した商品説明の生成

例えば、ECサイトなどで商品を販売している場合、業種・業態によっては大量の商品情報を管理する必要があることがあります。一つ一つの商品説明は購入を検討している見込み顧客にとって重要な情報源であるため、購入検討が進むような説明文を作成することが必要です。しかし、大量の商品情報を保持している場合、手動で商品説明を作成したり、メンテナンスしたりすることは非常に時間と手間がかかります。

Claude3 Opusを利用し、商品の基礎情報から商品に対して適切な説明文を生成できます。この際、商品の特徴や仕様、ターゲットとなる顧客の情報などを与えることで、自然な文章を生成することができます。例えば、以下の特徴を持ったテレビについて、商品説明を生成します。Claude3 Opusは極めて自然な日本語で文章を生成できる点に注目してみてください。

②Claude3 Opusを利用した長文データ解析

Claude3 Opusの高い長文理解能力を活かして、PDFなどのレポートから要点を抽出し要約を生成することもできます。以下の例では、令和５年８月に経済産業省 商務情報政策局 情報経済課が発行している、「令和４年度　電子商取引に関する市場調査報告書」を用い、Claude3 Opusに要約を依頼してみます。PDFでページ数は126ページあります。なお、サマリしたい項目自体もClaude3に考えてもらいました。指示（プロンプト）に、資料から読み取れない、内容が不明な場合は「不明」と回答するように指示することで、それらしいウソ（ハルシネーション）を回避するようにしています。

③Claude3 Opusの画像処理性能を利用したデータ生成

Claude3 Opusは高い画像処理能力を持っています。マーケティング現場ではデータ分析の機会も多いですが、基礎情報集めの段階で、例えば印刷物など紙で入手した資料から、データ起こししたいことがあります。そんなときにもClaude3 Opusは活用できます。以下は、令和2年の国勢調査の回答状況の一部ですが、画像ファイル形式になっていて、このままでは内容の加工編集ができません。この画像データから、CSV形式で情報を抽出してもらうと以下のようになります。

④Claude3 Opusを利用したデータ編集

また、アンケートデータから、ある特定データのみを削除して集計するなどの動作も可能です。例えば以下のようなサンプルデータがあった場合に、ここから個人情報のみを削除するなどの動作をさせることが可能です。ここで提示しているサンプルデータそのものもAIで生成しており実在のものではありませんが、念のためマスクを入れています。

⑤Claude3 Opusを利用したSNS投稿などの生成

投稿者の特徴を踏まえたSNS投稿案を作成することもできます。投稿者の過去のSNS投稿データを情報として与え、投稿者のペルソナや投稿の特徴を学習させます。その上で、投稿上の文字数制限などを指示し、テーマを与えることで投稿内容を生成します。

先にも触れましたが、Claude3 Opusは2024年3月時点で、20万トークン（おおよそ新書1冊分の情報）の情報を受け取り処理することができます。これほどの情報量のSNS投稿をしているアカウントは極めて稀ですので、ほとんどのケースで、すべての投稿データを受け入れ分析することが可能となっています。

例えば企業のSNSアカウントの運用において、自動投稿と手動の投稿を組み合わせるなどにより、運用の負担軽減や効率化を図ることができます。以下は例えばSNSの「X（旧Twitter）」でSNS投稿案を作成する際のプロンプトと処理結果です。

Claude3の使用上の留意点

Claude3を提供しているAnthropic社は、利用者が提供した情報（Materials）を、以下の目的で使用することがあるとしています。

1. サービスの提供、維持、改善
2. 新しい製品やサービスの開発

ただし、公開されていない情報については、原則的に使用されません。

例外は以下の2つの場合です。

1. 利用者がAnthropic社に対してフィードバックを提供した場合、そのフィードバックに含まれる情報を使用することがあります。ただし、これはフィードバックに関する規定に従います。フィードバックは生成結果にいいね！などのボタンを押すことで行われます。
2. 利用者の情報が、信頼性と安全性の観点から審査の対象となった場合、Anthropic社はその情報を使用または分析することがあります。これは、利用規約違反を検出し、対処する能力を向上させるためです。具体的には、信頼性と安全性を担当するチームが使用するモデルの訓練に活用されます。ただし、これはAnthropicの安全性に関する使命に沿ったものです。

つまり、Anthropic社は基本的には公開を許可された情報しか利用しませんが、ユーザーからのフィードバックや、安全性確保のために必要な場合は、非公開の情報も使用することがあるということになります。この点に留意して活用することが大切です。

Claude3を活用しましょう

Claude3はマーケティング業務を幅広くサポートします。流暢な日本語生成能力と長文理解の能力は、ChatGPTなどこれまでの生成AIよりも1段階レベルが高くなりました。商品やサービスの魅力を最大限に引き出し、顧客との関係性強化に活用してみてください。アーチ経営サポートでは、中小企業様、成長企業様に生成AI活用のご支援も行っております。ご興味がありましたらお問い合わせいただければ幸いです。

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