2026年最新!中小企業向け補助金|最大50億円の支援策を徹底解説

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高市内閣による補正予算成立と中小企業支援の強化

2025年12月16日、第204回臨時国会において令和7年度補正予算が可決・成立しました。一般会計総額は18兆3,034億円とコロナ禍後では最大規模となり、財源として新規国債約11.7兆円の追加発行が予定されています。

高市早苗首相が率いる高市内閣は、就任以来「物価高への対応」を最優先課題に掲げてきました。加えて、本予算を通じて「強い経済」の実現に向けた一定の方向性を示すことができたといえるでしょう。

高市内閣が打ち出している経済戦略の特徴は、急激な物価上昇やエネルギー価格高騰から国民生活を守りつつ、積極的な財政出動によって企業の収益力強化と賃金上昇の好循環を生み、「増税なき税収増」を目指す点にあります。高市首相は「行き過ぎた緊縮ではなく積極財政で国力を強くする」と強調しており、歳出規模ありきではなく無駄を省いた戦略的な財政出動によって経済成長と財政健全化を両立する姿勢を示しています。

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補正予算の全体構成と重点分野

今回の補正予算は、大きく分けて物価高・生活支援策、成長投資・生産性向上策、財政措置・災害対応策などで構成されています。

まず「生活の安全保障・物価高対応」として約8.9兆円が計上されました。ガソリン・軽油価格のさらなる引下げ支援、電気・ガス料金の負担軽減、地方創生臨時交付金の増額、子ども1人当たり2万円の物価高対応給付金など、標準的な4人家族で年間8万円以上の支援となる対策が盛り込まれています。また、医療・介護等の経営支援パッケージに約1.4兆円を充当し、報酬改定を待たずに赤字の医療機関・介護施設への前倒し支援を実施します。

一方で、企業向けには賃上げに繋がる生産性向上投資や成長投資への支援が重点化されました。中小企業・小規模事業者の賃上げ環境整備のために約1兆円規模の大胆な措置が講じられており、政府全体の経済産業省関連対策としては既存基金の活用分も含め1兆1,300億円に上ります。

中小企業関連予算の全体像

分野主な施策予算額
成長投資・生産性向上生産性革命推進事業3,400億円
大規模成長投資補助金4,121億円
省力化投資補助金(基金)1,800億円規模
伴走支援・取引適正化各種支援施策約1,000億円
経済環境変化への対応復興支援等約1,000億円
合計約1兆1,300億円

特に「100億円企業」の創出支援や、賃上げに向けた生産性向上・省力化投資支援に大きな予算が割り振られている点が特徴です。本記事では、中小企業向け施策の柱となる以下の3つの主要事業に焦点を当て、その狙いと具体的な活用方法を詳しく解説します。

中小企業生産性革命推進事業(3,400億円)の詳細

中小企業生産性革命推進事業は、経済産業省・中小企業庁が所管する中小企業向け補助金パッケージであり、中小企業の「稼ぐ力」を抜本的に強化して持続的な賃上げを実現することを目的としています。2025年度補正予算ではこの事業に3,400億円が計上されました。

この事業の特徴は、複数の補助金メニューを組み合わせることで、企業の成長段階やニーズに応じた支援を提供できる点にあります。具体的には「中小企業成長加速化補助金」「デジタル化・AI導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」「事業承継・M&A補助金」という4つの主要補助金事業が含まれています。

政府は近年の物価高騰、過去最高水準となった最低賃金の引上げ、人手不足などの課題に対応するため、本事業を通じた設備投資・DX投資支援で生産性向上と賃上げを後押しする考えです。実際、本事業の対象となる各補助金では事業実施後に生産性指標や賃金水準の向上という成果目標を達成することが求められており、補助採択を受ける企業は将来的な賃上げ等のコミットメントを問われる点に注意が必要です。

中小企業成長加速化補助金

中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円超を目指して大胆な成長投資に取り組む中小企業を支援する補助金です。輸出による外需獲得や域内調達による地域経済波及効果、従業員への賃上げ寄与など、規模拡大と高付加価値化を志向する投資プロジェクトが対象となります。

政府は各地域で雇用を支える「100億企業」の創出を強く志向しており、本補正で同補助金を拡充してこれら飛躍的成長志向企業への財政支援を強化します。

中小企業成長加速化補助金の概要

項目内容
補助率1/2以内
補助上限額最大5億円/社
対象経費工場等の建設、機械設備、ソフトウェア、専門家費用など
主な要件・現在の年商10億円以上100億円未満
・将来100億円超を目指す企業
・「100億円宣言」を公表
・税抜1億円以上の投資計画
・5年程度で一定水準の賃上げ計画
事業期間交付決定後最長2年間

応募するにはいくつかの条件が課されています。現在の年商が10億円以上100億円未満で将来100億円超を目指す企業であること、公式に「100億円宣言」を行いその内容を専用ポータルサイトで公表していること、税抜1億円以上の投資計画であること、さらに今後5年程度で一定水準の賃上げを実現する事業計画を策定することが必須です。

賃上げ計画については、事業完了後3年間の平均賃金上昇率が事業実施地域の過去5年平均の最低賃金上昇率以上となる目標を設定し、仮に未達の場合は不足割合に応じて補助金の返還を求められる仕組みです。この点は、単なる設備投資支援ではなく「賃上げを実現するための投資」であることを明確にしている点で重要です。

申請は電子申請システム(jGrants)を通じて行います。本補助金は2025年に第1次公募が実施済みで、補正予算拡充後に第2次公募が開始される見通しです。

デジタル化・AI導入補助金

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業等の業務効率化やDX推進、サイバーセキュリティ対応、インボイス制度対応などに資するITツール導入を支援する補助金です。従来の「IT導入補助金」を改称・発展させたもので、生成AIをはじめとする先端ITツールの活用による生産性向上を強く意識した制度設計となる見込みです。

とはいえ、「基本的な仕組みはIT導入補助金と同じ」であり、名称に”AI”を冠してはいますがAIに限らず幅広いITソリューション導入が対象になります。補助率や上限額は現時点で正式公表されていませんが、従来同様、中小企業のITツール導入費用の1/2程度(小規模事業者等は2/3)を補助し、上限額は450万円規模となりそうです。

対象者は幅広い中小企業・小規模事業者で、専用の事務局ポータルに登録されたITベンダーの提供するソフトウェア・クラウドサービスや機器類の導入費用が補助対象経費となる見込みです。公募開始は他の補助金と同様に2026年初めに予定されており、詳細な公募要領は年明けに公表される見通しです。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者(商工会・商工会議所の管轄企業)を対象に、経営計画に基づく販路開拓等の取り組みを支援する補助金です。具体的には、小規模事業者等(常時雇用20人以下、商業・サービス業は5人以下)が、自社の経営計画を策定した上で実施する新商品の販促・広告宣伝、展示会出展、店舗改装、新たな販路開拓のための経費などに対し補助を行います。

小規模事業者持続化補助金の概要

項目内容
補助率2/3以内
補助上限額通常50万円(特別枠で100万円〜200万円)
対象者常時雇用20人以下(商業・サービス業は5人以下)
対象経費広告宣伝費、展示会出展費、店舗改装費、販促ツール制作費など
申請窓口全国の商工会議所等

補助率は2/3以内、上限額は通常50万円と比較的小規模ですが、全国の商工会議所等が窓口となり毎年複数回公募されています。2025年度補正予算でも同補助金は継続実施され、物価高や最低賃金上昇で厳しい経営環境にある小規模事業者の販路開拓・生産性向上を後押しする考えです。

公募時期は例年どおり年明け以降に順次実施される見込みです。直近では2025年12月に令和6年度第3回公募が開始されています。

事業承継・M&A補助金

事業承継・M&A補助金は、中小企業の円滑な事業承継や思い切った事業再編・M&Aを支援する補助金です。後継者不在の中小企業が事業承継を契機に新分野に挑戦したり、他社との合併・買収によって経営資源を引き継ぎ事業再編を行ったりする場合に、その費用の一部を補助します。

具体例として、事業承継後に設備投資を行って新製品開発や業態転換に取り組むケースや、中小企業同士のM&A(第三者承継)に伴い発生する専門家活用費用(PMI支援等)に対する補助などが挙げられます。補助率は1/2以内、上限額は事業類型によって数百万円から数千万円規模と想定され、2025年度も継続実施されます。

公募については、事業承継・引継ぎ支援センター等を通じて情報提供がなされ、補正予算成立後に令和8年初頭から募集が行われる見込みです。

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生産性革命推進事業の申請に向けて

以上のように、生産性革命推進事業は複数の補助金施策を包含しており、中小企業のデジタル化投資から市場開拓、事業再編に至るまで幅広く網羅しています。その分、対象要件や補助条件も事業ごとに異なりますが、共通して重視されるのは「補助を通じて付加価値を高め、その成果を賃金アップにつなげる」という点です。

例えば成長加速化補助金では賃上げ未達時の返還ルールが設けられていますし、小規模事業者持続化補助金でも賃上げや事業継続力強化に資する取組が評価されます。本事業全体が政府の掲げる「稼ぐ力の強化による賃金上昇」という政策目標と直結していることを念頭に、各社は自社の状況に適した枠組みを選びつつ、事前に入念な計画策定と準備を進める必要があります。

生産性革命推進事業の公募スケジュール(予定)

補助金名公募開始時期締切時期備考
成長加速化補助金2026年春頃公募開始から約1.5ヶ月後第2次公募
デジタル化・AI導入補助金2026年春〜初夏公募開始から約1ヶ月後新設
小規模事業者持続化補助金随時(年4〜5回)公募開始から約2ヶ月後継続実施
事業承継・M&A補助金2026年上半期公募開始から約1ヶ月後継続実施

補正予算成立後1〜3月に公募要領公開、1か月後に公募開始という流れになるため、遅くとも2026年春頃までには主要な補助金の募集が出揃う見込みです。採択までの準備期間は決して長くないため、企業は早めにプロジェクト計画を練り、必要資料(見積書や計画書)の準備に着手しておくことが肝要です。

中堅等大規模成長投資補助金(4,121億円)の詳細

中堅等大規模成長投資補助金は、地域の雇用を支える中堅・中小企業が賃上げに向けて省力化等による生産性向上と事業規模の拡大を図るために行う大型投資を支援する補助金事業です。地方圏でも持続的な賃上げを実現することを目的に、工場・施設の新設や大規模な設備導入等の資本投資を強力に後押しします。

2025年度補正予算では本事業に総額4,121億円を充当し、その内訳は新規基金分2,000億円+既存基金2,121億円となりました。これは前年(令和6年度補正)の3,000億円規模から約1,100億円の大幅増額であり、政府の「攻めの成長投資」支援に対する強いコミットメントがうかがえます。

特に今回は「100億宣言企業」向けの枠が新設されており、追加した2,000億円の基金のうち約1,000億円を飛躍的成長を目指す100億企業候補(売上高100億円超を目指すと宣言した企業)の案件に重点配分する方針です。また、中小企業が大企業から経営人材を受け入れた場合の支援措置も創設されるなど、単なる設備投資支援に留まらず人的資源面からも地方企業の成長を後押しする総合的な枠組みとなっています。

補助の内容と特徴

本補助金は一言でいえば「中堅・中小企業版の超大型設備投資補助金」です。製造業を中心に、地方圏で工場新増設や大規模ライン導入等の計画を持つ企業に対し、補助率1/3(一定要件下で1/2)で資金支援します。1案件あたり最大50億円もの巨額補助が可能で、日本の中小企業向け補助金としては突出した規模となっています。

中堅等大規模成長投資補助金の概要

項目内容
補助率原則1/3(一定要件で1/2)
補助上限額最大50億円/案件
対象経費工場建屋建設費、機械装置、生産ライン設備、据付・運搬工事費など
投資下限額通常枠:20億円以上
100億宣言企業枠:15億円以上
対象者従業員2,000人以下の中堅・中小企業、スタートアップ
成果目標拠点の従業員一人当たり給与総額を地域の最低賃金上昇率以上で向上

補助対象経費は工場建屋の建設費、機械装置や生産ラインの設備費、据付・運搬工事費など大型投資に係る費用全般が含まれます。例えば、新工場の建設と最新鋭の生産ライン導入によって大幅な省人化・増産を図る計画や、大規模なロボット設備導入による工場フルオートメーション化計画などが対象例となり得ます。

事業の成果目標としては、補助事業を行う拠点の従業員一人当たり給与総額を、地域の最低賃金上昇率を上回る水準で向上させることが求められており、持続的な賃上げ実現がゴールとして明確に掲げられています。

昨年度より制度自体は継続ですが、本年度は「100億宣言企業枠」の新設や投資下限額の引上げ等の見直しが行われています。具体的には、通常枠の応募要件として「補助対象投資額が20億円以上」(昨年度までは10億円以上)の大型投資であることが課されました。ただし100億宣言企業については特例的に下限投資額15億円以上で申請可能とし、これら企業向けに別枠での審査・採択を行う予定です。

対象要件と申請のポイント

応募できるのは「中堅・中小企業」と位置づけられる事業者です。具体的には常時使用する従業員数が2,000人以下の企業等で、大企業の子会社などみなし大企業に該当しないことが条件となります。中堅企業(中小企業基本法上の中小企業規模を超えるが大企業には至らない企業)も含まれるため、売上や資本金ベースでは明確な基準はありませんが、従業員数2000人以下という要件が事実上の目安です。

またスタートアップ企業(ベンチャー企業)も対象に含まれており、中堅・中小・スタートアップが地域で果敢な成長投資に挑戦することを後押しする位置付けです。

審査は書面審査(一次)とプレゼンテーション審査(二次)の2段階で行われ、採択率は低く競争が非常に激しい補助金として知られます。実績では第1次公募の採択率約15%、第2次公募で約9%と狭き門であり、相応に完成度の高い投資計画書の提出が求められます。

評価ポイントは計画の新規性・波及効果・実現可能性など多岐にわたり、特に賃上げ目標や地域経済への貢献、投資後の事業拡大見込みなどが重視されます。また、採択後のフォローアップとして、事業完了後に設定した賃上げ目標の達成状況等が検証され、未達の場合には報告や指導が行われる仕組みです。

申請方法とスケジュール

申請は本事業の公式事務局ウェブサイト上でのオンライン手続きとなります。必要書類として詳細な事業計画書(Word/PDF形式)、収支計画・資金計画のエクセル様式、プレゼン資料(応募段階で提出)などが要求される点が、他の中小企業補助金と異なる特徴です。

具体的には、通常の補助金申請書(10ページ程度の事業計画書)に加え、成長戦略や投資計画を示すプレゼンテーション資料やエクセルで作成する投資採算性シミュレーション等の提出が必要となります。これは交付額が数十億円規模に及ぶため、事業計画の実現可能性や収益見通しについてより厳格な審査が行われるためです。

中堅等大規模成長投資補助金のスケジュール(予定)

公募回公募期間審査・採択
第5次公募2026年3〜4月頃(予定)2026年6月頃(予定)

本補助金は令和5年度補正予算により2024年からスタートし、これまで年に複数回の公募が行われてきました。2025年度は第3次公募が3〜4月、第4次公募が7〜8月に実施され、それぞれ6月末・10月に採択結果が公表されています。

補正予算が成立したことで、今後第5次公募の開始が予定されます。正式な日程は2026年初頭に発表見込みですが、例年の実施状況から2026年3〜4月頃に公募受付、6月頃に審査・採択といったスケジュールが想定されます。

公募期間は約1か月強と短いため、第5次の応募を検討する企業は早めに事前準備を整える必要があります。なお、第5次公募では上述の制度改正(投資下限額引上げ等)が適用されるため、これまで第1〜4次公募に応募したものの不採択だった企業でも、新要件下では再チャレンジできない可能性があります。

中小企業省力化投資補助金(1,800億円規模)の詳細

中小企業省力化投資補助金は、深刻な人手不足に直面する中小企業がロボット・IoT機器・業務システム等の導入による省力化投資を行い、生産性向上と賃上げを実現することを支援する補助金制度です。

本事業自体は令和5年度より中小企業基盤整備機構(中小機構)が既存基金を活用して実施してきたもので、2025年度補正ではその枠を拡大し1,800億円規模の支援を継続する計画です。補正予算には計上されていない「既存基金の活用」事業ですが、政府の「生産性向上・省力化投資支援」の一環として生産性革命推進事業と並ぶ柱に位置付けられています。

実際、令和7年度経済対策では業種別の「省力化投資促進プラン」に基づき企業規模ごとの補助上限額の見直し等、支援内容の拡充が打ち出されました。簡単に言えば、従来以上に中小企業の省人化ニーズに応じた柔軟な補助を行うことで、「人手が足りないからできない」を解消し、生産性向上→賃金アップの好循環を生み出すことが狙いです。

補助の内容と企業規模別上限額

本補助金では、中小企業が自社の業務に適合した形で複数の省力化機器やシステムを組み合わせて導入する取組みに対し補助が行われます。典型例として、製造業における製造ラインのロボット化・自動化、飲食・サービス業における無人受付システムや配膳ロボットの導入、建設業におけるIT施工管理システムと重機自動運転装置の組み合わせ導入等が考えられます。

重要なのは単なる汎用機械の購入ではなく、自社の課題に応じてカスタマイズされた複合的な投資であることです。そのため、例えば市販の機械1台を購入するだけのケースは補助対象外となります。必ずソフトウェア(業務システム)とハードウェア(機械装置)を組み合わせる、もしくは複数の機器を連動させて活用するといった工夫が求められます。

また、各企業の従業員規模に応じて補助金の上限額が異なる点も特徴です。

企業規模別の補助上限額

従業員数通常上限額賃上げ実施時上限額
5人以下750万円1,000万円
6〜20人1,500万円2,000万円
21〜50人3,000万円4,000万円
51〜100人5,000万円6,500万円
101人以上8,000万円1億円

このように企業規模に見合った投資案件を支援することで、大企業ほどの体力がない中小企業でも思い切った省力化投資に踏み切れるよう配慮されています。

補助率は原則1/2ですが、小規模事業者や事業再生中の企業は2/3、また最低賃金引上げに取り組む企業については特例的に補助率2/3へ引き上げられます。ただし、1件あたりの補助金額が1,500万円を超える部分については一律補助率1/3となるため、高額な申請を行う場合は自己負担も大きくなる点に留意が必要です。

対象要件と留意点

日本国内に本店を有する中小企業(業種別の中小企業基本法上の範囲内であること)が対象です。製造業なら資本金3億円以下または従業員300人以下、サービス業なら資本金5,000万円以下または従業員100人以下といった一般的な中小企業要件に該当する企業が原則となります。

加えて、公募要領では過去の採択実績に関する制限が設けられており、本補助金の第1〜3回公募で採択された企業および第4回公募に申請中の企業は第5回公募に申請不可とされています。つまり、これまで一度でも本補助金に応募した企業は採択・不採択を問わず再チャレンジできない仕組みになっており、「一企業一回限り」の支援にすることでより多くの企業に機会を提供する狙いと読み取れます。

そのほか、補助事業実施にあたっては最低賃金の一定額以上の引上げや、従業員の処遇改善につながる取り組みを行うことが求められます。これは補助対象として認められた設備投資の成果が、単に人件費削減(人減らし)にとどまらず、労働生産性向上→賃金アップという好循環を生み出すことを確実にするためです。

申請方法とスケジュール

本補助金は中小機構が事務局を担当しており、公式サイト上で情報提供および電子申請受付が行われています。申請希望者は同サイトに掲載の公募要領やQ&Aを熟読の上、jGrants等のオンライン申請システムを利用して応募します。

申請書類には事業計画書(省力化投資による業務効率化と賃上げ実現までのシナリオを示す内容)や見積書類、賃上げ計画書などが含まれます。補助事業の採択後は、中小機構および地域事務局のサポートのもとで機器導入・支出手続きを進め、事業完了後には実績報告と成果報告(生産性指標や賃金指標の報告)を行う必要があります。

第5回公募スケジュール

項目時期
公募開始2025年12月19日
申請受付開始2026年2月上旬
申請締切2026年2月下旬
採択結果公表2026年春頃(予定)
補助事業期間交付決定日から約1年間

本補助金は年度内複数回の公募が行われており、2025年は既に第1〜4回まで実施されました。補正予算による拡充を受けて、第5回公募が2025年12月19日付で開始されています。

受付開始から締切までわずか数週間程度しかないため、年明け早々に実質的な応募期間となります。応募検討企業は年内に構想を固め、機器の選定や見積取得を進めておくことが推奨されています。なお、第5回をもって令和7年度分の募集は最後となる可能性が高く、次年度(令和8年度)以降は新たな予算措置の下で事業継続または新制度への移行が検討されています。

各補助金の比較と選び方

ここまで3つの主要補助金について詳しく見てきましたが、自社に適した補助金を選ぶポイントをまとめます。

3つの補助金の比較表

項目生産性革命推進事業大規模成長投資補助金省力化投資補助金
予算規模3,400億円4,121億円1,800億円規模
補助上限50万円〜5億円
(メニューによる)
最大50億円750万円〜1億円
(規模による)
投資規模数百万円〜数億円15億円〜(20億円〜)数百万円〜数千万円
対象企業中小企業・小規模事業者中堅・中小企業
(従業員2,000人以下)
中小企業
主な用途デジタル化、販路開拓
事業承継、成長投資
工場新設、大型設備
生産ライン導入
省力化機器・システム
ロボット・IoT導入
難易度メニューにより様々非常に高い
(採択率約10%)
中程度
特徴複数メニューから選択可能超大型投資向け
100億企業支援
人手不足対応
一企業一回限り

選び方のポイント

  1. 小規模な販路開拓や店舗改装を行いたい場合 → 小規模事業者持続化補助金(50万円〜200万円)
  2. ITツールやシステムの導入でDXを進めたい場合 → デジタル化・AI導入補助金(数百万円規模)
  3. 100億円企業を目指す成長投資を行いたい場合 → 中小企業成長加速化補助金(最大5億円)
  4. 工場新設など超大型投資(15億円以上)を計画している場合 → 中堅等大規模成長投資補助金(最大50億円)
  5. 人手不足解消のための省力化機器導入を考えている場合 → 中小企業省力化投資補助金(最大1億円)
  6. 事業承継を契機に新分野へ挑戦したい場合 → 事業承継・M&A補助金

いずれの補助金も「賃上げの実現」が共通の成果目標となっている点に注意が必要です。単なるコスト削減や設備更新ではなく、生産性向上を通じて従業員の処遇改善につなげる計画が求められます。

まとめ

2025年補正予算(令和7年度)の成立により、高市内閣の掲げる「責任ある積極財政」に基づく中小企業支援策が本格的に動き出します。本記事で詳述した「生産性革命推進事業」「大規模成長投資補助金」「省力化投資補助金」はいずれも、中小企業の賃上げ戦略を後押しする攻めの施策であり、デジタル化・自動化投資や思い切った設備拡張、新事業展開への挑戦を財政面から支えるものです。

政府予算の後押しがある2026年は、中小企業にとって事業転換や成長投資に踏み出す絶好の機会となるでしょう。むろん補助金は競争も伴いますが、上手に活用すれば生産性向上と人材確保(処遇改善)の両立という難題に取り組む大きな原動力となります。

補助金活用に向けた準備のポイント

各企業は自社の状況に合った支援策を見極めつつ、早期から計画策定と準備を進めることが重要です。具体的には以下の点に留意しましょう。

まず、自社の経営課題と投資規模を明確にすることです。販路開拓なのか、設備投資なのか、人手不足対応なのか。また、投資可能な金額はどの程度なのか。これらを整理することで適切な補助金メニューが見えてきます。

次に、賃上げ計画を含めた事業計画を策定することです。どの補助金も「賃上げの実現」を成果目標としているため、補助事業を通じてどのように生産性を向上させ、その成果を賃金アップにつなげるのかを明確に示す必要があります。

さらに、早めの準備着手が不可欠です。公募開始から締切までの期間は短く、多くの場合1〜2ヶ月程度しかありません。見積書の取得や計画書の作成には時間がかかるため、公募要領が公表される前から準備を進めることが望ましいといえます。

また、専門家や支援機関の活用も検討しましょう。自治体や地域の中小企業支援機関、認定支援機関(金融機関・士業など)との連携により、申請書類のブラッシュアップや採択後のフォローアップを受けることができます。

いかがでしたでしょうか。補助金申請のサポートを受けられる場合には、情報を収集した上で、貴社の事業成長に貢献できるパートナーを選んでみてください。またご不明な点などございましたら、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

アーチ経営サポート代表 
デジタル拡販アドバイザー / 中小企業診断士 鈴木 將路

IT業界で20年以上、統合基幹業務ソフトウェア事業(ERP事業)に関与。マーケティング責任者、自ら企画したSaaS事業の事業責任者などを担当。ソフトウェア事業開発、新規事業立ち上げ、BtoBマーケティングで20年超の経験を持つ。

現在、成長企業向けに、デジタルマーケティング支援やマーケティング研修、補助金活用サービスなどを展開中。企業経営者と目線を合わせた、きめ細やかなサービスを提供している。中小企業庁認定 経営革新等支援機関。Certified in the Prompt Engineering for ChatGPT Course at Vanderbilt University.

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