【2025年・令和7年最新】ものづくり補助金のポイント、変更点を解説

【2025年・令和7年最新】ものづくり補助金のポイント、変更点を解説
目次

ものづくり補助金2025のポイント

ものづくり補助金の第19次締切分の申込みが開始となりました。申請手続きの流れ、補助対象経費、採択率の傾向、そして前回(第18次締切)からの主な変更点について解説します。

ものづくり補助金2025の申請手続きの流れ

申請準備

応募ができる企業は中小企業基本法等で定められる中小企業等であることが必要です​。その上で3~5年の事業計画を策定し、生産性向上(付加価値年率3%以上)と賃上げ(給与支給総額年率1.5%以上、事業場内最低賃金+30円以上)など基本要件を満たす必要があります。計画には具体的な新製品・新サービスの開発内容や設備投資計画、賃上げ目標を盛り込みます。また電子申請に必要なGBizIDプライムの取得も事前に行うようにしましょう。(電子申請システムjGrantsにログインするため必須)

公募期間と申請方法

2025年の第一回目の公募となる第19次締切では、2025年4月11日17:00から4月25日17:00までが申請受付期間です。申請は中小企業庁が運営する補助金電子申請システム「jGrants」上で行い、所定の入力フォームに事業計画の本文を直接入力します。

来はWord形式の様式に事業計画書を作成して提出していましたが、第19次ではオンライン入力方式に変更され、図表など補足資料はA4判3ページ以内のPDFファイルを添付する形となりました。添付書類として、法人概要(登記簿謄本や財務諸表)、事業計画書、賃上げ計画の誓約書など公募要領で指定された書類を用意します。

また、従業員21名以上の企業は「一般事業主行動計画」を公表している必要があります​。

審査と採択発表

応募締切後、事務局による形式要件確認を経て、外部有識者等からなる全国採択審査委員会で厳正な審査が行われます​。第19次より審査基準が刷新され、「経営力」「事業性」「実現可能性」の3つの観点で評価されます。技術的妥当性や市場性、事業計画の実現可能性に加え、賃上げ等政策目標への寄与も評価されます。審査の結果、採択結果は2025年7月下旬頃に公表される予定です。採択者には通知があり、その後交付申請手続きを経て正式に補助事業の開始となります。

交付申請・交付決定・事業実施

採択が発表された後に、交付申請を行います。無事に交付決定が出た場合、交付決定後、実際に事業を実施できる期間は交付決定日から製品・サービス高付加価値化枠で交付決定日から10か月(ただし採択発表日から12か月後の日まで)、グローバル枠で交付決定日から12か月(ただし採択発表日から14か月後の日まで)と定められており、この期間内に設備投資を完了させます。事業完了後は30日以内に実績報告書を提出し、その後5年間にわたり毎年事業化状況等の報告が義務付けられます​申請や事業実施に不明点がある場合は事務局サポートセンターへの問い合わせや、公募要領記載のFAQ等を活用しましょう。

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ものづくり補助金2025の概要

ものづくり補助金2025の概要は以下のとおりです。

令和6年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」概要
基本要件(3~5年の事業計画書の策定及び実行が必要)
①付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加
②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上
 又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加
③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)
※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみとする。
区分製品・サービス高付加価値化枠グローバル枠
概要革新的な新製品・新サービス開発による高付加価値化海外事業の実施による国内の生産性向上
補助上限額5人以下:750万円(850万円)
6~20人:1,000万円(1,250万円)
21~50人:1,500万円(2,500万円)
51人以上:2,500万円(3,500万円)
※()内は大幅賃上げ特例適用後
3,000万円(3,100万円~4,000万円)
補助率中小企業1/2、小規模・再生2/3中小企業1/2、小規模2/3
補助対象経費<共通>機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
<グローバル枠のみ>海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
特例措置<大幅賃上げ特例>
・補助上限額を100~1,000万円上乗せ(上記カッコ内の金額)
・要件:①給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上増加
    ②事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準
・いずれか一方でも未達の場合、補助金返還義務あり

<最低賃金引上げ特例>
・補助率を2/3に引上げ(小規模・再生事業者は除く)
・指定する一定期間において、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いること
その他・収益納付は求めない
・3~5年の事業計画に基づき事業を実施
・毎年、事業化状況報告の提出が必要
・基本要件等が未達の場合、補助金返還義務あり

ものづくり補助金2025の補助対象経費

ものづくり補助金で認められる具体的な補助対象経費は次の通りです​。

経費区分説明
機械装置・システム構築費
※ 単価50万円(税抜き)以上の設備投資を行うことが必須
① 専ら本事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用に要する経費。
② 専ら本事業のための使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費。
③ ①若しくは②と一体で行う、改良・修繕又は据付けに要する経費。

※1 生産性向上に必要な防災性能に優れた生産設備等を補助対象経費に含めることは可能です。
※2 機械装置又は自社により機械装置を製作する場合の部品の購入に要する経費は「機械装置・システム構築費」となります。
※3 「借用」とは、いわゆるリース・レンタルをいい、交付決定後に契約したことが確認できるもので、補助事業実施期間中に要する経費のみとなります。したがって、契約期間が補助事業実施期間を超える場合の補助対象経費は、按分等の方式により算出された補助事業実施期間分のみ対象となります。
※4 「改良・修繕」とは、本事業で新たに購入等をする機械装置・システムの機能を高め又は耐久性を増すために行うものです。
※5 「据付け」とは、本事業で新たに購入する機械装置の設置と一体で捉えられる軽微なもの(設置場所に固定等)に限ります。設置場所の整備工事や基礎工事は含みません。
※6 生産性向上を伴うものであれば、製品やサービスのセキュリティの向上に資する生産設備やソフトウェア等を補助対象経費に含めることは可能です。
※7 本事業で購入する機械装置等を担保に金融機関から借入を行う場合は、事務局への事前申請が必要です。なお、担保権実行時には国庫納付が必要です。
※8 3者以上の中古品流通事業者から型式や年式が記載された相見積もりを取得している場合には、中古設備も対象になります。
※9 グローバル枠のうち、海外への直接投資を行う事業において、海外子会社が主たる補助事業実施主体となる場合に限り、本事業で購入した機械装置等について貸与の契約を締結した上で、海外子会社に貸与することも可能です。ただし、海外子会社への貸与価格が市場価格から乖離している場合など、取引形態によっては移転価格税制等の税制上の検討が必要な場合がありますので、ご注意ください。
運搬費運搬料、宅配・郵送料等に要する経費。

※1 購入時の機械装置の運搬料については、「機械装置・システム構築費」に含めることとします。
技術導入費
※ 上限額は補助対象経費総額(税抜き)の3分の1
本事業の実施に必要な知的財産権等の導入に要する経費。

※1 知的財産権を所有する他者から取得(実施権の取得を含む)する場合は書面による契約の締結が必要となります。
※2 技術導入費支出先には、専門家経費、外注費を併せて支払うことはできません。
知的財産権等関連経費
※ 上限額は補助対象経費総額(税抜き)の3分の1
新製品・新サービスの事業化にあたって必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用、外国特許出願のための翻訳料等の知的財産権等取得に関連する経費。

※1 本事業の成果に係る発明等ではないものは補助対象になりません。また、補助事業実施期間内に出願手続きを完了していない場合は、補助対象になりません。
※2 知的財産権の取得に要する経費のうち、以下の経費については、補助対象になりません。
 ・日本の特許庁に納付する手数料等(出願料、審査請求料、特許料等)。
 ・拒絶査定に対する審判請求又は訴訟を行う場合に要する経費。
※3 国際規格認証の取得に係る経費については補助対象になります。
※4 本事業で発生した知的財産権の権利は、事業者に帰属します。
外注費
※ 上限額は補助対象経費総額(税抜き)の2分の1
新製品・新サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費。

※1 外注先が機械装置等の設備を購入する費用は補助対象になりません(グローバル枠のうち海外への直接投資を行う事業の場合において、海外子会社へ外注することは除く)。
※2 外注先との書面による契約の締結が必要です。
※3 機械装置等の製作を外注する場合は「機械装置・システム構築費」に計上してください(グローバル枠において、海外子会社へ外注する場合を除く)。
※4 過去1年間に「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で本補助事業を実施した事業者を外注先とすることはできません。
※5 外注先に、技術導入費、専門家経費を併せて支払うことはできません。
※6 本事業で開発した新製品・新サービス及びシステム構築に係るサイバーセキュリティ対策のために、ペネトレーションテスト(侵入テスト)を実施するための費用や、アプリケーションやサーバー、ネットワークに脆弱性がないかを診断する脆弱性診断(セキュリティ診断)も対象となります。ただし、市販のウイルスソフトの購入費については補助対象外となります。セキュリティ対策を検討されている事業者は、ものづくり補助金総合サイトの「公募要領」のコーナーにある「参考施策」も参考にご検討ください。
※7 グローバル枠のうち海外への直接投資を行う事業の場合において、海外子会社が主たる補助事業実施主体となる場合に限り、本事業の補助対象経費の区分に該当する費用において、経費総額の過半を海外子会社に外注することが可能です。ただし、海外子会社への外注価格が当該業務委託の市場価格から乖離している場合など、取引形態によっては移転価格税制等の税制上の検討が必要な場合がありますので、ご注意ください。
専門家経費
※ 上限額は補助対象経費総額(税抜き)の2分の1
本事業の実施のために依頼した専門家に支払われる経費。

※1 専門家の技術指導や助言が必要である場合は、学識経験者、兼業・副業、フリーランス等の専門家に依頼したコンサルティング業務や国内旅費等の経費を補助対象とすることができます(※2の謝金単価に準じるか、依頼内容に応じた価格の妥当性を証明する複数の見積書を取得することが必要(ただし、1日5万円を上限))。
※2 専門家の謝金単価は、以下のとおりとします(消費税抜)。
 ・大学教授、弁護士、弁理士、公認会計士、医師:1日5万円以下
 ・大学准教授、技術士、中小企業診断士、ITコーディネータ:1日4万円以下
※3 国内旅費は、全国中小企業団体中央会が定める「旅費支給に関する基準」(別紙1)のとおりとします。なお、専門家の海外旅費(グローバル枠の海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ)は、海外旅費に計上してください。
※4 専門家経費支出対象者には、技術導入費、外注費を併せて支出することはできません。
※5 コンサルティング業務は、製品・サービスの設計時のセキュリティ設計に関するアドバイス等を含みます。
※6 申請時に活用した事業計画書作成支援者は、専門家経費の補助対象外とします。
クラウドサービス利用費クラウドサービスの利用に関する経費。

※1 専ら本事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォームの利用費のみとなります。自社の他事業と共有する場合は補助対象となりません。
※2 具体的には、サーバーの領域を借りる費用(サーバーの物理的なディスク内のエリアを借入、リースを行う費用)、サーバー上のサービスを利用する費用等が補助対象経費となります。サーバー購入費・サーバー自体のレンタル費等は対象になりません。
※3 サーバーの領域を借りる費用は、見積書、契約書等で確認できるもので、補助事業実施期間中に要する経費のみとなります。したがって、契約期間が補助事業実施期間を超える場合の補助対象経費は、按分等の方式により算出された当該補助事業実施期間分のみとなります。
※4 クラウドサービス利用に付帯する経費について、ルータ使用料・プロバイダ契約料・通信料等の本事業に必要な最低限のものは補助対象となります。パソコン・タブレット端末・スマートフォンなどの本体費用は対象となりません。
原材料費試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費。

※1 試作品の開発のために購入する原材料等の数量は必要最小限にとどめ、補助事業実施期間終了日までには使い切ることを原則とします。補助事業実施期間終了日時点での未使用残存品は補助対象となりません。
※2 原材料費を補助対象経費として計上する場合は、受払簿(任意様式)を作成し、その受払いを明確にするとともに、試作・開発等の途上において発生した仕損じ品やテストピース等を保管(保管が困難なものは写真撮影による代用も可)しておく必要があります。
海外旅費
(グローバル枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ)
※ 上限額は補助対象経費総額(税抜き)の5分の1
海外事業の拡大・強化等を目的とした、本事業に必要不可欠な海外渡航及び宿泊等に要する経費。

※1 海外旅費は、全国中小企業団体中央会が定める「旅費支給に関する基準」(別紙1)のとおりとします。
※2 本事業と無関係な海外旅費は、補助対象になりません。なお、海外渡航を目的とする国内乗り継ぎに要する費用は補助対象になります。また、交付申請時に、海外渡航の計画をあらかじめ申請することが必要です。
※3 一度の渡航での海外旅費の使用は、事業者3名まで(専門家、通訳者が海外に同行する場合には事業者3名に加え2名まで)とし、1人あたり最大50万円を限度とします(税抜・補助対象経費に補助率を乗じた補助金額としての金額)。
通訳・翻訳費
(グローバル枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ)
※ 上限額は補助対象経費総額(税抜き)の5分の1
事業遂行に必要な通訳及び翻訳を依頼する場合に支払われる経費。

※1 翻訳については、広告宣伝・販売促進に必要な翻訳のみ補助対象になります。事業計画に係る契約書の翻訳は補助対象になりません。
※2 本経費は最大30万円までを限度とします(税抜・補助対象経費に補助率を乗じた補助金額としての金額)。
広告宣伝・販売促進費
(グローバル枠のうち、海外市場開拓(輸出)に関する事業のみ)
※ 上限額は補助対象経費総額(税抜き)の2分の1
本事業で開発する新製品・新サービスの海外展開に必要な広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展等、ブランディング・プロモーションに係る経費。

※1 本事業以外の自社の製品・サービス等の広告や会社全体のPR広告に関する経費は補助対象になりません。
※2 補助事業実施期間内に広告が使用・掲載されること、展示会が開催されることが必要です。なお、交付決定後の発注・契約が前提となります。
※3 マーケティング市場調査については、補助対象になりません。

ものづくり補助金2025の経費配分のルール

補助対象経費には配分に関する制約も設けられています。例えば、技術導入費および知的財産関連経費はそれぞれ補助対象経費総額の1/3が上限、専門家経費および外注費はそれぞれ補助対象経費総額の1/2が上限です​。また前述の海外旅費・通訳翻訳費はグローバル枠でのみ認められ、その場合でも補助対象経費の1/5が上限となります​。広告宣伝・販売促進費も補助対象経費の1/2以内に制限されています​。

さらに、第19次公募では「補助対象経費の厳格化」として、補助対象経費が事業全体に要する経費の2/3以上を占めていることが求められています​。つまり、補助の対象外となる経費(例:汎用性が高く創意工夫の伴わない設備導入や、通常の運転資金、人件費、土地・建物取得費など)は事業全体の経費において3分の1以下に抑える必要があります。これにより、補助対象とならない経費が事業の大半を占めるような計画は認められない仕組みになっています。

ものづくり補助金2025の補助率と補助金額の概要

補助金は採択された場合に対象経費の一定割合が支給されます。通常の補助率は中小企業の場合1/2(1社当たり経費の50%を補助)、小規模事業者や再生事業者(経営改善計画認定を受けた企業等)の場合2/3が基本です​。例えば1,000万円の設備投資で中小企業なら500万円、小規模事業者なら666万円が補助されます。

ものづくり補助金2025の従業員規模による上限額

小規模企業ほど補助上限額が低めに設定され、大きい企業ほど高い上限となる傾向があります。例えば第18次では従業員21名以上の中堅規模の企業で製品・サービス開発を行う場合、補助上限は1,250万円でしたが、5名以下の小規模企業では750万円といった設定でした​。第19次ではこの従業員規模区分が見直され、一部上限額が拡充されています​。

具体的には21名以上の企業の上限額が従来より引き上げられるなど、企業規模に応じた支援金額が増額され、最大で4,000万円程度の補助上限が見込まれます​。これは景気環境の厳しさを受けた措置で、比較的規模の大きい中小企業にも手厚い支援が及ぶようになっています。

ものづくり補助金2025の賃上げに関する特例

賃上げへの取り組み状況によって補助率・上限の優遇措置があります。通常は中小企業の補助率1/2ですが、最低賃金引上げに積極的に取り組む企業は補助率が2/3に引き上げられます​。

具体的には、所定の期間内に地域別最低賃金+50円以内の従業員が全体の30%以上いる企業が該当し、そのような企業が賃金引上げ計画を提出すると補助率2/3が適用される仕組みです​。(この特例は第19次から新設されています)また大幅賃上げ特例と呼ばれる制度もあり、補助事業実施後3~5年で先述の賃上げ目標を更に上回る年率+4.5%以上(合計年率+6%以上)の賃上げ等を行う計画を立てる場合、補助上限額が追加で100万~2,000万円引き上げられます​。例えば従業員100人以上の企業が大幅賃上げ特例の計画を提出すれば、通常枠・グローバル枠の上限に+2,000万円され、グローバル枠では最大4,000万円(通常3,000万円+特例2,000万円)まで補助上限が引き上げられます​。ただし、この特例適用後に計画未達の場合は上乗せ分の返還が求められる点に注意が必要です​。

なお、第19次では収益納付(利益の返納義務)が廃止されたため、大幅賃上げ特例で収益が生じても返納不要となり、より柔軟に利益を活用できるようになります​。

ものづくり補助金2025で信頼できるサポート事業者の選び方

補助金申請をサポートしてもらう事業者は、以下のようなポイントに留意し選んでみると良いでしょう。

  • 様々な補助金に精通し、補助金制度を熟知している専門家を選ぶ
    補助金ごとに異なる審査項目や加点項目を踏まえたアドバイス・支援が期待でき、採択率を高められる可能性があります。

  • 事業計画の策定支援」が専門である専門家(中小企業診断士など)を選ぶ
    補助金は申請者全員がもらえるものではなく、申請者間で事業計画内容の比較・コンペが行われ、採択されるかどうかが決まります。このため、審査員が納得できる事業計画が作れなければ補助金は採択されません。

  • 補助金採択後のサポートが受けられる専門家を選ぶ
    補助金は採択されて終わりではありません。先に自己資金などで補助事業を実施した上で、後払いで補助金が振り込まれます。補助金を受け取るためには、補助金事務局に補助事業の実施報告を行う必要があります。採択後の報告作業に不安がある場合には、採択後にもサポートがあるかを確認しましょう。
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ものづくり補助金2025、第18次締切回との変更点

令和6年度補正予算により実施される第19次公募では、制度面で多数の改正が行われています。第18次公募(2024年実施)から第19次公募(2025年実施)へと変わった主なポイントを以下に整理します​。

特に申請を予定している事業者は、前回までとの違いを把握し最新の公募要領に沿った準備を進める必要があります。

主な変更点は、(1)応募対象や要件の拡大・強化、 (2)補助金額・補助率など支援内容の拡充、 (3)申請書式や審査基準の見直し、 (4)補助事業期間や手続き上の改善、 (5)その他留意事項(支援者の関与ルールや収益納付の取扱い等)の変更です。これらの変更について、第18次と第19次を比較した表を以下に示します。

項目第18次公募 (~2024年度)第19次公募 (2025年度~)
リピーター応募制限応募締切日から過去3年以内に2回採択済の場合は申請不可。1回採択の場合は減点措置リピーター規制強化
直近14か月以内に採択された事業者や、既に他の補助事業を実施中の場合は申請不可。また過去3年で2回交付決定を受けた場合も引き続き申請不可。関連会社による重複申請も禁止
一般事業主行動計画の公表義務ではない(100人以下の中小企業は計画公表で加点対象)従業員21人以上の企業は義務化
従業員21人以上の企業は応募時点で行動計画の社外公表が必須。未公表の場合は申請できない。
審査項目・基準技術面・事業化面・政策面など複数観点で評価。国の「ものづくり高度化指針」や「サービス生産性向上ガイドライン」への適合も評価要素評価軸を刷新
審査項目は「経営力」「事業性」「実現可能性」の3つに再編経営基盤や収益性が重視される一方、「ものづくり高度化指針」や「サービス生産性向上ガイドライン」指針類は審査基準から除外され簡素化。
事業計画書の提出形式所定のWord様式に事業計画書を作成し電子申請システムへアップロード(旧方式)オンライン直接入力
電子申請システム(jGrants)上で本文を直接入力し、図表等はA4判3ページ以内のPDFを添付
申請支援者(代理人)の関与特に明確な制限規定なし(代理申請自体は許容)支援者の役割明確化
申請者本人が計画内容を理解していることが求められ、補助金申請代行を丸投げする形態は禁止。報酬や支援内容が不明瞭な契約も認められず、契約の透明性が義務付け
類似計画書(コピー申請)明確な取扱い規定なし(形式上は不正とされるが罰則規定は緩やか)厳格化
他社と酷似した計画書提出が発覚した場合、1回目は次回公募への申請禁止、2回目はその後4回分申請禁止等のペナルティ。さらに当該申請を関与した支援者も一定期間申請受付停止の可能性
事業実施期間交付決定から原則年度末まで(短期間で完了必要) ※第18次は交付決定時期にもよるが約6~8か月程度の実施期間交付決定日から10か月間に延長
年度をまたぐ事業実施が可能になり、計画遂行の負担軽減
補助率の特例措置小規模事業者・再生事業者は2/3(通常補助率より優遇)。また製品・サービス高付加価値化枠(成長分野類型)やコロナ特別枠では中小企業でも2/3適用最低賃金引上げ特例の新設
一定の賃金条件を満たす中小企業は補助率が2/3に引き上げ(小規模は元々2/3のため除く)
補助上限額1社あたり750万~3,500万円程度(事業類型と企業規模により変動)。 ※例:製品・サービス開発(通常枠)で最大1,250万円、グローバル枠で最大3,000万円。大幅賃上げ特例適用時は更に上乗せ(グローバル枠で最大4,000万円)上限額の拡充・再編
従業員規模区分の見直しにより一部上限額を引き上げ。特に従業員21名以上の企業は上限額拡大。大幅賃上げ特例適用時の最大補助額は引き続き約4,000万円(グローバル枠)だが、中堅規模企業でもより高額の補助が狙えるように改善
最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例明確な取扱い規定なし最低賃金引き上げの特例
所定の期間内に地域別最低賃金+50円以内の従業員が全体の30%以上いる企業が該当し、そのような企業が賃金引上げ計画を提出すると補助率2/3が適用される
収益納付(補助事業で利益が出た場合の納付)採択事業で収益が発生した場合、利益の一部または全額を国庫に返納する「収益納付」制度が適用廃止
第19次公募より収益納付規定を撤廃。補助事業で得た収益を返納せず、自社成長に再投資できるよう運用緩和

※上記以外にも細かな変更点がありますが、特に事業者にとって影響の大きいポイントを抜粋しています。例えば、第19次では補助対象経費に占める補助対象外経費の割合制限が明文化されるなど​ 、事業再構築補助金との併給調整の明確化、加点項目・減点項目の見直し(例:過去に類似補助金を受けた場合の減点措置の厳格化)も行われています。申請を検討する際は、これら変更点を踏まえて最新の公募要領を熟読し、要件を満たす計画書作成と必要書類の準備を進めてください。

ものづくり補助金2025を活用しよう

最後に、第19次公募は予算枠が令和6年度補正予算に切り替わり制度内容も大きく変更されています​。第18次までの知見を活かしつつ、新たな公募要領に則った戦略的な申請準備が重要です。事前に専門家や支援機関のアドバイスを受けるなどして、自社の強みや計画の新規性・波及効果を的確にアピールできる申請書を作成しましょう。今回の制度改正によってものづくり補助金は一層使いやすくなった側面もあります​。公募締切までのスケジュール管理を徹底し、余裕を持った準備で採択に向けた可能性を高めてください。各種変更点を押さえた上で適切に対応し、事業発展に本補助金を役立てていただければと思います。

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この記事を書いた人

アーチ経営サポート代表 
デジタル拡販アドバイザー / 中小企業診断士 鈴木 將路

IT業界で20年以上、統合基幹業務ソフトウェア事業(ERP事業)に関与。マーケティング責任者、自ら企画したSaaS事業の事業責任者などを担当。ソフトウェア事業開発、新規事業立ち上げ、BtoBマーケティングで20年超の経験を持つ。

現在、成長企業向けに、デジタルマーケティング支援やマーケティング研修、補助金活用サービスなどを展開中。企業経営者と目線を合わせた、きめ細やかなサービスを提供している。中小企業庁認定 経営革新等支援機関。Certified in the Prompt Engineering for ChatGPT Course at Vanderbilt University.

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