ウェビナーとは?~基本からBtoBでの活用方法まで解説~

ウェビナー(Webinar)という言葉を耳にする機会が増えてきました。企業のマーケティング活動や社内研修など、様々な場面で活用されているウェビナーについて、基礎知識から実践的なノウハウまで解説していきます。

目次

ウェビナーとは?

ウェビナー(Webinar)とは、Web(ウェブ)とSeminar(セミナー)を組み合わせた造語で、インターネットを通じて開催されるオンラインセミナーのことを指します。従来の対面式セミナーとは異なり、参加者はパソコンやスマートフォンがあれば、場所を問わず参加することができます。

ウェビナーの種類

ウェビナーには大きく分けて3つの形式があります。目的に応じて選択してみましょう。

種類特徴メリット
ライブ配信型リアルタイムで配信・質疑応答やアンケートの実施が可能
・臨機応変な対応が可能
オンデマンド配信型事前収録した動画を配信・好きな時間に視聴可能
・繰り返し学習が可能
・参加者のペースで学習可能
インタラクティブ型参加型機能を活用した配信・リアルタイムでの質疑応答
・投票機能やクイズ機能の活用
・参加者の積極的な参加を促進

ウェビナーのメリット

ウェビナーには、従来の対面式セミナーと比較して、いくつかの大きなメリットがあります。

主なメリット具体的な効果ビジネス上の効果
コスト削減・会場費の削減
・移動費用の削減
・運営経費の削減
経費の大幅な削減による収益性の向上
情報発信の効率化・一度に多くの参加者へ配信可能
・同時配信による時間効率の向上
・情報の均質性の確保
効率的な情報伝達による効率性の向上
地理的制約の解消・国内、海外からの参加が可能
・場所を問わないアクセス
見込み客へのリーチ拡大によるビジネス機会の創出
効率的な集客・参加者が移動を伴わないため、参加のハードルが下がる
・好きな時間に見ることができる
見込み客へのリーチ拡大によるビジネス機会の創出

ウェビナーのデメリット

メリットがある一方で、ウェビナーには留意すべき点もいくつかあります。

主なデメリット具体的な課題必要な対策
技術的な問題・インターネット回線の不具合
・システムトラブルの発生
・配信機材の故障
・バックアップ回線の確保
・事前の動作確認
・トラブル発生時の対応手順の整備
参加者の集中力維持・画面視聴による疲労
・集中力の低下
・参加意欲の維持が困難
・適切な休憩時間の設定
・双方向な要素の導入
・尺を短くするなど、コンテンツの適切な分割
コミュニケーションの課題・参加者の反応が把握しづらい
・臨機応変な対応が困難
・非言語コミュニケーションの制限
・定期的なアンケートの実施
・チャット機能の活用
・参加者への積極的な声かけ

なぜ今、ウェビナーが注目されているのか?

ウェビナーが注目を集める背景には、ビジネス環境の大きな変化があります。テレワークの普及により、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方が一般的となってきました。このような環境下では、オンラインでの情報共有や学習機会の提供が重要性を増しています。
デジタルマーケティングの進化も、ウェビナー活用が広がる要因の一つです。見込み客の獲得から育成まで、一貫したオンラインでのマーケティング施策として、ウェビナーは極めて有効です。

ウェビナー成功に向けた手順

ウェビナーを成功させるためには、企画から実施、フォローアップまでの各段階で、適切な準備と対応が必要です。

企画・準備段階のポイント

企画段階では、まずウェビナーの目的を明確にすることが大切です。例えば、新規見込み客の獲得が目的なのか、既存顧客へのサービス説明が目的なのかによって、コンテンツの構成や告知方法が変わってきます。
ターゲット層の設定も重要です。対象となる参加者の課題や関心事を理解し、それに応える内容を提供することで、より効果的なウェビナーとなります。
コンテンツの作成においては、オンラインならではの特性を考慮する必要があります。画面を通じた情報伝達となるため、視覚的な要素を効果的に活用し、理解を促進することが大切です。

実施段階での注意点

ウェビナー当日は、配信開始の30分前には準備を整え、機材やインターネット接続の最終確認を行います。
進行においては、時間配分を意識しつつ、参加者の反応を確認しながら柔軟に対応していきます。質疑応答の時間を十分に確保し、参加者との双方向のコミュニケーションを図ることも重要です。

効果的なフォローアップ

ウェビナー終了後は、速やかに参加者へお礼のメールを送信します。その際、アンケートへの協力依頼や、プレゼン資料の案内なども併せて行うと良いでしょう。
アンケートの結果は、次回のウェビナー改善に向けた重要な情報源となります。参加者の声を丁寧に分析し、より良いコンテンツ作りに活かしていきましょう。

ウェビナーで成果を出すための必須ツール&活用術

ウェビナーの効果を最大限に引き出すためには、目的に応じた適切なツールの選択と活用が重要です。利用可能な予算や参加人数、必要な機能などを考慮し、最適なツールを選定していきましょう。

主要なウェビナーツールの特徴

ウェビナーツールで代表的なZoomは、安定した接続性と使いやすさが特徴です。画面共有や録画機能など、基本的な機能が揃っています。2024年12月時点のプランでは、最大1万人まで参加可能となり、ウェビナー専用機能も利用できます。

2024年12月時点でのZoomの価格表
2024年12月時点でのZoomの価格表


外にも、Microsoft Teamsは、Microsoft 365との連携が強みです。社内向けのウェビナーや、既にMicrosoft 365を導入している企業での活用に適しています。チャット機能やファイル共有など、コラボレーション機能も充実しています。
Google Meetは、Google Workspaceユーザーにとって使い勝手の良いツールです。シンプルな操作性が特徴で、参加者も特別なソフトウェアのインストールなく、ブラウザから参加できます。

ウェビナーで補助ツールを活用する

メインのウェビナーツールに加え、以下のような補助ツールを組み合わせることで、より効果的なウェビナー運営が可能となります。アンケートツールでは、参加者の意見や要望を効率的に収集できます。回答結果をリアルタイムで共有することで、参加者の興味関心に応じた柔軟な進行も可能となります。また、資料共有ツールを活用することで、プレゼン資料や関連資料を参加者に効率的に提供できます。セキュリティ面にも配慮しながら、適切な共有方法を選択することが大切です。

ウェビナー運営に役立つ機能

ウェビナーツールの録画・編集機能を活用することで、ライブ配信したウェビナーをオンデマンドのコンテンツとして再利用できます。見逃し配信や研修材料として活用することで、コンテンツの価値を最大限に引き出すことができます。参加者管理機能では、申し込みから出欠管理、フォローアップまでを一元的に管理できます。参加者の行動データを分析することで、マーケティング活動の改善にも活用できます。

BtoBにおける、ウェビナーの実践的なノウハウ

様々な企業がウェビナーを活用し、成果を上げています。実践的なノウハウを見ていきましょう

BtoBにおける、ウェビナー成功のポイント

専門性の高いBtoBウェビナーでは、ターゲット層を明確に絞り込み、具体的な課題解決に焦点を当てたコンテンツ作りが重要です。参加者の業界知識や課題を理解した上で、実践的な情報を提供することで、高い評価を得ることができます。ウェビナー開催を成功させるためには、以下のポイントを押さえましょう。

  • テーマ選定: ターゲットのニーズに合った、興味深いテーマを選びましょう。
  • コンテンツ作成: 分かりやすく、 魅力的なコンテンツを作成しましょう。
  • 集客方法: WebサイトやSNSなどを活用し、効果的に集客を行いましょう。
  • ツール選定: 目的に合ったウェビナーツールを選びましょう。
  • 効果測定: 参加者数やアンケート結果などを分析し、効果測定を行いましょう。

ウェビナーの狙いを明確にする

ウェビナーの狙いをはっきりさせることが大切です。リード獲得を目的としたいのか、案件のクロージングに利用したいのか、それとも情報提供を行い、既存顧客や見込み顧客との関係性を強化したいのかなどです。たとえば、リード獲得を目的としたウェビナーでは、参加者の期待値と提供価値のバランスが重要となります。例えば、業界動向や最新技術のトレンド情報など、参加者にとって価値のある情報を提供することで、商談機会の創出につなげることができます。申し込み時のハードルを下げつつ、ウェビナー内で自然な形で商品・サービスの価値を伝えていくアプローチが効果的です。参加者の関心事に寄り添いながら、課題解決の手段として自社サービスを紹介することで、高い成約率を実現できます。

一般的に、ウェビナーの種類には以下のようなものがあります。

ウェビナーの種類目的特徴期待される効果
製品・サービス紹介のウェビナー・製品の機能紹介
・サービスの価値訴求
・導入メリットの説明
・製品のデモ
・視覚的なプレゼンテーション
・具体的な活用シーン紹介
・製品理解の促進
・購入意欲の向上
・商談機会の創出
事例紹介ウェビナー・成功事例の共有
・導入効果の実証
・活用ノウハウの提供
・実際の導入事例紹介
・具体的な成果の提示
・顧客の生の声の共有
・信頼性の向上
・導入への不安解消
・成功イメージの醸成
教育系ウェビナー・業界知識の提供
・専門スキルの向上
・最新トレンドの共有
・体系的な知識提供
・実践的なワークショップ
・参加者の知識向上
・実践力の強化
・関係性の情勢
・新規リードの獲得
専門家ウェビナー・業界動向の分析
・専門的知見の共有
・将来展望の提示
・業界有識者による講演
・深い洞察の提供
・先進的な視点の共有
・ブランド価値の向上
・業界での認知度強化
・長期的な関係構築

ウェビナー参加に必要な環境について

ウェビナーへの参加には、安定したインターネット環境が必須となります。モバイル回線での参加も可能ですが、できるだけ有線LANやWi-Fiなど、安定した通信環境での参加を推奨します。
機材面では、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの視聴デバイスに加え、音声を快適に聞くためのイヤホンやヘッドセットがあると便利です。双方向のコミュニケーションを行う場合は、マイクも必要となります。

ウェビナーでビジネスを加速させよう

ウェビナーは、効率的な情報発信と顧客とのコミュニケーションを実現する強力なツールです。適切な準備と運営により、マーケティング活動や顧客育成の効果を最大限に高めることができます。本記事で紹介した知識やノウハウを活用し、ぜひあなたのビジネスでもウェビナーを取り入れてみてください。初めは小規模から始め、徐々に規模や内容を拡充していくアプローチがお勧めです。試行錯誤を重ねながら、自社に最適なウェビナーの形を見つけていくことで、ビジネスの新たな可能性が広がっていくはずです。
アーチ経営サポートでは、ウェビナーの企画から運営まで、お客様のニーズに応じた支援サービスを提供しております。ウェビナー活用でお困りの点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

アーチ経営サポート代表 
デジタル拡販アドバイザー / 中小企業診断士 鈴木 將路

IT業界で20年以上、統合基幹業務ソフトウェア事業(ERP事業)に関与。マーケティング責任者、自ら企画したSaaS事業の事業責任者などを担当。ソフトウェア事業開発、新規事業立ち上げ、BtoBマーケティングで20年超の経験を持つ。

現在、成長企業向けに、デジタルマーケティング支援やマーケティング研修、補助金活用サービスなどを展開中。企業経営者と目線を合わせた、きめ細やかなサービスを提供している。中小企業庁認定 経営革新等支援機関。Certified in the Prompt Engineering for ChatGPT Course at Vanderbilt University.

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