サブスク事業のカスタマーサクセス達成に向け、考慮したい施策4選

サブスク事業のカスタマーサクセス達成に向け、考慮したい施策4選
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大きなトレンドのサブスクリプションビジネス

近年、継続的に安定的な売上を生み出せる、サブスクリプションビジネスが大きなトレンドとなっています。この流れに乗じて、多くの企業ではサブスクリプションサービスを開発し、サービス提供を始めています。反面、一旦契約した顧客にすぐに解約されてしまい、思ったような収益を確保できていないサブスクリプション事業も数多く存在しています。

サブスクリプションビジネスで、最も大切な指標の1つがチャーンレート

サブスクリプションビジネスを進めるに当たり、最も避けたいことは何でしょうか。

それは、解約されてしまう事です。

解約をされてしまうと、顧客との関係性が途切れるばかりでなく、継続的な収益の源泉を損なうことに直結します。

サブスクリプションビジネスでは、解約率のことをチャーンレート(churn rate)と呼びます。
すなわち、サブスクリプションビジネスにおいては、このチャーンレートを下げていく活動が大変重要となります。

顧客の成功=カスタマーサクセスの達成がチャーンレート低下つながる

実際に顧客が解約する状況を考えてみると、

  1. 提供サービスに満足できない
  2. 何らかの外的要因でサービス利用を継続できなくなった

の2点が考えられます。
このうち、②については自社でコントロールが難しい内容です。

このため、①の「提供サービスに満足できていない」顧客に、いかに満足してサービス利用を継続してもらうかがポイントとなります。この、顧客がサービスを利用することで購買体験が成功したと捉えてもらう活動が、カスタマーサクセスです。

サブスク事業のカスタマーサクセスの達成に向け、考慮したい施策4選

サブスク事業のカスタマーサクセスの達成に向けて考慮したい施策4選をご紹介します。

施策1.優れた顧客体験を作り出す

驚くべきことに、実際にサービスを利用している顧客は、サービス提供側の想定する形でサービスを利用していないケースがままあります。このため、サービス提供側は、サービス設計に則った形で、顧客が正しくサービスを利用できているかをモニタリングするようにします。顧客理解を深めていき、必要があればサービス利用方法の助言などを通じて軌道修正を図っていくことが大切です。

施策2.チャーンレートを、適切なKPI設定により一定水準に保つ

チャーンレートには、顧客数を対象とするアカウントチャーンレートや、月額経常収益(MRR)を対象とするレベニューチャーンレートなど、いくつかの分類があります。ここでは、チャーンレート=アカウントチャーンレートとして話を進めます。

アカウントチャーンレートは以下の計算式で算出できます。

アカウントチャーンレートの計算式

アカウントチャーンレート=当月の解約顧客数 ÷ 前月末の顧客数 × 100

チャーンレートは、提供するサービスや特性、ターゲットの企業規模などによって傾向が異なります。
以下の図は、代表的なサブスクリプション事業である、SaaS(Software as a Service)事業を例に、企業規模別に見たチャーンレートの一例です。

アカウントチャーンレート
出典:https://tomtunguz.com/saas-innovators-dilemma/

年単位では、

  • SMB(Small and Medium Business|中堅・中小企業)で、31%~58%
  • MID(中堅企業)で11%~22%
  • Enterprise(大企業)で6%~10%

というアカウントチャーンレートとなっています。

大企業の方がアカウントチャーンレートは低く、中小企業の方がアカウントチャーンレートは高くなるという特性があります。このような事例を踏まえて、適切となる目標チャーンレートをKPIとして設定し、チャーンレート一定水準内に保つ活動が求められます。

施策3.オンボーディングプロセスに注力する

オンボーディングプロセスとは、「乗船までの過程」の意味で、サービスを契約した顧客が、最初にそのサービスを使いこなすまでのプロセスのことを指します。
解約の要因を分析していくと、サービスの特性によって若干異なりますが、オンボーディング前とオンボーディング後のチャーンレートには、明確な差異があることがわかります。


オンボーディング前の顧客は、サービスに対するロイヤルティ(忠誠心)が高まっていないケースが多く、解約が容易なサブスクリプションビジネスでは、最も注意を払うべき顧客群となります。
スムーズなオンボーディングを達成するためには、事前に何を用意しておくと良いのか検討し、実施していきましょう。

施策4.コストを削減するために、セルフサービスを拡充する

カスタマーサクセスを進めていく際に、過剰サービスとなりすぎないように注意が必要です。
サービスのコスト分解を進めていくと、ある特定の顧客群に対して過剰なサポートを行っているようなケースが発見されることがあります。

マニュアル化や解説動画の整備、FAQなどを拡充させ、顧客自身がセルフサービスで自己解決できるようなコンテンツを用意していくことは、カスタマーサクセスとコストの削減の両立を図る有効な手段となります。

カスタマーサクセスを達成し、サブスクリプション事業を加速させましょう

いかがでしたでしょうか。
サブスクリプションビジネスは、顧客と契約した後の良好な関係作りが大切なビジネスです。

アーチ経営サポートでは、サブスクリプション事業の進出サポートや実行フェーズの支援サービスなどを行っています。
カスタマーサクセスの仕組み作りや、サブスクリプションビジネスの進め方についてご不明な点がありましたら、お問い合わせを頂ければ幸いです。

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この記事を書いた人

アーチ経営サポート代表 
デジタル拡販アドバイザー / 中小企業診断士 鈴木 將路

IT業界で20年以上、統合基幹業務ソフトウェア事業(ERP事業)に関与。マーケティング責任者、自ら企画したSaaS事業の事業責任者などを担当。ソフトウェア事業開発、新規事業立ち上げ、BtoBマーケティングで20年超の経験を持つ。

現在、成長企業向けに、デジタルマーケティング支援やマーケティング研修、補助金活用サービスなどを展開中。企業経営者と目線を合わせた、きめ細やかなサービスを提供している。中小企業庁認定 経営革新等支援機関。Certified in the Prompt Engineering for ChatGPT Course at Vanderbilt University.

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